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August、2003
8月25日(月曜日) | ||||
いよいよ出発の日。 ロクな観光をしていないから、3時10分発のフェリーまで目一杯時間を無駄にしたくない。 でも、昨日まで今日の予定を決めていなかったので、 何時出発、という事を伝えていなかったため、みんな起きようとしない。 「おきろー!」と言ったら、 「やだ!」 「じゃぁ、置いてくよ。」 無理やり起こして、どうにか9時半過ぎにキャンプ場を後にしたのでした。 ガイドブックを見ながら、尖閣湾に行ってみる事にした。 今回の旅唯一の大型観光バスのいる観光地。 天気も曇っていたせいか、あんまり良くなかった。 船底の見える遊覧船に乗って海に繰り出せば、綺麗な海と景色を楽しめるのかもしれないが、 湾の中から見た限り、先日の天然記念物の灯台辺りの方がずっと素晴らしい。 佐渡の奉行所は感心しました。 「ここは観光の為に建てた建物じゃないんです。保存の為に忠実に再現して建てた建物です。 その為、一切飾りはないですから、そのつもりで見てください。」 と最初に説明を受けました。 江戸幕府が金山に絡む事務仕事の為に作ったお役所、県庁のようなもの。 何度も焼失した遺跡跡に建てられています。 ヒノキの良い香りがするし、至る所漆塗り。 全国から集まってきた本職の方々の匠の技の結晶。 下手に飾り立てられているより、ずっと品がありました。 相川で食事をするつもりだったけど、おなかが空いていないという事で、 真っ直ぐ両津へ行き、そこで食事をする事にしました。 佐渡の真ん中”ヘソ”辺りは大きなチェーン店があったりして街になっていました。 昼食は、先日食べ損ねたいかそーめんと特上寿司。 今回の旅は贅沢していないから、特上を食べても罰が当たらないでしょう。 いかそーめん800円、特上寿司7カンで2000円。 最後に食べ物に悔いを残すことなく、お土産の乾物を買ってフェリーへ乗り込みました。 (乾物ならトランクの隙間に入る) 寝不足を解消すべく、毛布を借りて寝床探し。 往きと違い、乗り込むのが遅くなったので既に場所は無くなっている。 唯一見つけたのが、ごみ箱の脇。 とりあえず横になってみるものの、エンジンかスクリューの動きが響いて心地よくない。 こりゃ、寝られないぞ! しかも酒の飲める船室なので、酒臭い。 更なる良い場所を求めてさ迷う事しばし。 2等船室4号室の真中に、多少寝れるスペース発見。 横になってみたら、さっきの場所よりもっと「ドドドドド」と、ひどい響き方。 同じ響くなら、ごみ箱の脇で酒臭く、しかも空調が回らず暑い場所よりもまし。 ということで移動なし。年配の人が多く横になっている場所でした。。 行きと違い、子供のジャンプや騒ぐ声がなく比較的静か。でも、寝られない。 ずっと運転し通しで、しかも夜も寝られず寝不足のはずなのに寝られない。 必死の寝る為の努力、目をつぶってひたすら静かに横になる・・・。 ヒップバックを左側に置き、一応安全の為にストラップを腕に巻きつけ、 100円で借りた毛布をかけ、横になっていました。 出航してから大体1時間半くらい経った頃の、周りの人が随分と寝入っている頃、 ストラップが微妙に引っ張られ、腕にわずかな歪みの圧迫を感じました。 何だと思ってがばっと飛び起きてみると、 テロテロした感じの60代〜70代くらいの親父が横になりながら、ワタシのヒップバックに手を伸ばしていました。 「何ですか!!!!」 と言っても手を引っ込めず、ワタシのバックをゆっくり撫でている。 (気持ち悪ぃ) 「これは〜、あなたの〜、バックですか〜?」 と言いながら撫でている。 「そうですけど!!!!!」 「あなたの〜、バックなんですね〜。」 と言ってまだ撫でている。 「何なんですか!!!!!」 「あー、あなたのバックですか〜。」 ようやくワタシのバックから手を離し、横になっている奥さんらしき人との間にあった 茶色の四角く飾りのないセカンドバックに手をやり、今度はそれを撫で始めた。 意味もなく、円を描くように力を入れるわけでもなく、ただ触れただけの状態で、1周2周・・・。 奥さんらしき人は、横になりながらも半分頭を持ち上げ目を見開いて事のなり行きを見ている。 普通なら「あんた何してるの?」とか「すみません」とか言いそうなのに、 何にも言わないし、一言も言葉を発しない異様な状況。 沈黙・・・・・・。 (わたし、睨むようにして親父と奥さんを見る。) テロテロ親父は、そのセカンドバックを開ける様子もない。 何週か撫でた後、ようやく上半身を起し手を離した。 私は問いただす事も、叫ぶ事も、手を掴む事もせず、 自分のバックを左側から右側に移し、毛布を全体にかけ再び横になりました。 (←大いにバカ) 数分後テロテロ親父を見てみると、黒のショルダーバック(自分の?)の中を見ていた。 奥さんは持ち上げていた頭を下ろして横になっていた。 しばらくして、テロテロ親父は杖を突いて何処かへ出かけた。 柔らかなヒップバックだったおかげで、多少の異変も感じ取る事ができたのは良かった。 親父が戻ってきた後、間もなくして奥さんが 5時頃がバスの集合時間だとか何とか言って、二人共いなくなりました。 親父は杖をついていたのですが。 弱々しさを装っているのか、ほんとに弱いのか判らない感じです。 腰も曲がっていないし。 駐車場への出入り口が違ったのか、ウロウロしている時、 向こうも私が気になっているのか、何度か目が合いました。 私は睨んでやりました。 テロテロ親父も、ワタシの睨んだ目を離さず見返してきました。 (かなりしっかりした目つき) 白の半そで襟付きのシャツに、グレーのズボンの少し小太りな杖を突いた老年の男性。 奥さんは小柄で華奢な感じ。 2人とも、私が騒がなかったので安心したでしょうね。 後から考えると、見つかった時ののらりくらりとした、全く動じない態度に常習性があるような気がします。 大声でも上げるか、手をつかむか、それなりの毅然とした態度をとるべきだったと後悔しています。 後で車のキーを出そうとした時、一番大きいファスナーが開きっぱなしなのに気が付きました。。 開けられた時に、カバンが歪んでストラップに伝わったようです。 撫でていたのは、開いたヒップバックの口を、閉じているように見せる為に撫でていたんだなと判りました。 あの時もっと声を出して周りの人に”要注意人物”と言うことをアピールすべきだったな、と悔やまれて仕方がありません。 なんと後味の悪い最後になってしまいました。 フェリーから車を出す時、Aちゃんが「万景峰」が見えたよ! 「え”ー、どこ?どこ???」 「左、ひだり!」 「見えない!」 「見えるよ!上の方に北朝鮮の国旗があるじゃない!」 「みえたー!」 まともにニュースを見ていないキャンプは、社会情勢も知らずにいたので、 万景峰が入港していることすら知らずにいました。 車を止めて見物しようと思ってもみたのですが、帰りが遅くなるし、 何台かの先客もあり、車を止めずに眺めながら帰ってきました。 夕方のラッシュアワーと重なっているのに、途中のバイパスは事故の為渋滞。 家に着いたのは9時半頃でした。 市内の郊外に入ってきたら、道路が濡れてた。 所々デッカイ水溜り。 雨が降ったのね、程度に考えていたら、ものすごい雷雨だったそう。 一部では床下浸水になったらしい。 渋滞に巻き込まれたおかげで、前も見えないほどの雷雨に遭遇しなかったのはラッキー。 ・・・まとめ・・・ 終わりよければ、全て良し! |
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